「過保護は良くないという言葉は、きっと自分が楽をしたい人が考え出した言葉でしょう」
「子供は可愛がられなくてはいけない」
精神科医・子育て協会顧問
佐々木正美
診療室で見てきた子供に過保護で育てられてきた子はいなかったそうです。
患者の多くは「過干渉」で育てられてきていたそうです。
過干渉と過保護は違います。
本当に良くないのは過干渉で、過保護ではありませんでした。
今回の記事は、今子育てをしている方、これから子育てをされる方の役に立つ内容です。
是非参考にして頂き、幸せな子育てライフを送って頂ければと思います。
過干渉と過保護の違い
過保護 | 子供が望むことを望み通りやり過ぎてしまうこと。 |
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過干渉 | 子供が望んでないことを、やらせ過ぎること。 |
過保護とは
過保護で大切なのは「子供が望んでいる」ことをやるというところです。
でも子供が望んでいることを100%望み通りにやってあげれる親なんて中々いません。
ですので、本当の意味での過保護は中々あるものではありません。
過干渉とは
「子供が望まない」ことをやらせ過ぎることですので、過保護の反対かもしれないです。
でも子供がやりたくなくても、やらなくてはいけないことを教えることはあります。
それが過剰にならないようにすることが大事です。
例えば、「もう○○歳だからこれくらいできなくちゃいけない」と、やらせますが、ここで焦ってやらせる必要はないです。
トイレや箸の使い方などを教えてあげますが、出来るようになるまでゆっくりと待ってあげればいいんですね。
そこで怒って無理に、まだやりたくないことをやらせてもいいことはありません。
教えることはしますが、いつかはできるようになるんだからの気持ちで待ってあげて下さい。
親に大切なのは「望んでるもの」「望んでないもの」を感じ取る力
自主性のない子供に育ったのは過保護のせいではありません。
「ピアノだったり、塾だったりの習い事を車で送り迎えをしていた。」
これは過保護だったのか、過干渉だったのか。
子供に自主性がなくなったというのなら、過干渉だったと疑われます。
その子はピアノへ行くことが好きで行きたくて、車で送り迎えをして欲しがっていたならいいのですが、そうでなければ過干渉になってしまいますね。
無理やりピアノに車に乗せて連れて行けば、子供からしたらまるで護送車に乗せられている気分です。
子供は友達と、自転車や歩いて行きたかったのに、大変だろうとか危険を心配するあまり無理やり車で送り迎えしていれば、これも過干渉になってしまいます。
ですので、大事なのは子供が今、僕たち親に何を望んでいて、何を望んでいないかを感じる力です。
それから逆に、僕たち親が何を子供に望んでいるのかを考えるのも大事で、それが子供が望んでないことだった場合、
「今やらせるべきなのか」「やらせなくてもいいことなのか」「将来的にできるようになればいいことなのか」
を判断して、過干渉にならないように、程よく干渉をすることが大切になってきます。
僕の子供も英語を習っていますが、一時期嫌そうな時がありました。
結局続けさせてますが、その時僕の頭にあったのは、子供の将来的なこともあったのですが、「もったいない」という気持ちもありました。
ここまでやってきて、それだけお金を掛けていることですね。 これはもう大人の親の都合で、「お金を掛けたんだし、結果を出して欲しい」という僕の望みであって、子供の望みではありませんでした。
嫌々続けても、身にならないし、結局お金と時間を使って本当にもったいないことをしているかもしれません。
もちろん得るものもありますので、一概には言えません。
それなりに英語には触れているので、英語に対しての自信もついてますし、その英語教室での人付き合いもいい影響がありますので。
この辺りの判断ですよね。嫌で嫌でしょうがないなら辞めさせるし(過干渉になるので)、続けることで気持ちも変わり、得るものが大きいことを伝えて本人も納得して行くなら過保護になると思います。
「過干渉な親」子供への影響とは
保護が多ければ多いほど、自立性・自主性が育ち、創造的になれます。
逆に過干渉になると、子供ではなく親のやらせたいことを無理やりやらせるので、自立性・自主性の育ちが阻まれてしまいます。
親の言うことを聞くことで親が喜ぶ(親からの愛情が貰える)、条件付きの愛情ですね。毒親の特徴でもあります。
こちらの記事が参考になります。
そうなると子供は親を喜ばせることに喜びを感じるようになります。
これはどういうことかというと、相手の喜ぶ反応を気にしながらの行動ばかりになるんです。
すると自分が本当にしたいことが分からなくなってしまいます。
将来なになりたいかという質問で、
「したいことが分からない」
と答える子供がいますよね。
相手の反応ばかり気になる為に、正解の答えは何か、相手が求めている答えは何かという方に、気持ちが行ってしまうんです。
これは自分の考えが言えないことになってしまいます。
過干渉とはこういったことを引き起こしてしまいます。
最後に
過保護といいますが、”過”保護をできるのはまず難しいです。
子供の望みを全部聞いて叶えてあげることですので。
「子供がやりたいことは、なるべくやらせてあげたい」って子育てに挑むときに結構誰もが思うことですよね。
その気持ちを忘れないでほしいです。
そして、やりたいことをやらせてあげるってのは、「好きにやれ」と放任することではなく、やりたいことをやれるように、導いてあげたり、助けてあげたり、求められたことをやって上げることだと思います。
子供がまだまだ小さい頃は、これが愛着を築くことだと思います。
愛着を築くことができないと「愛着障害」という以下のような症状もあります。
やりたいだろうな、喜ぶだろうな、って子供を思うあまり先回りしてやり過ぎてしまい、過干渉になる場合もあると思います。
それは結局、子供の望みじゃなく、親の一方的な思いですからね。
度が過ぎてしまうと過干渉となり、毒親となってしまいます。
小さい子の場合は、よくありますよね。危険だから、散らかして後が大変だからと、やらせなかったり、親がやってあげたり。
そんな時「自分でやりたかったのにー」って言われることありませんか。
これを言われた時は、過干渉だったかもしれないですね。
ちょっとぐらいの危険、後片付けが大変になることは、今は我慢。
それよりも子供の成長をより楽しむこと考えてみてください。
それに勝ることなんてないですからね!